この年になって頭痛をこじらせた。
十代以来の頭痛もちで、自慢にならないが頭痛にかんしては超ベテランの域である。トリプタン頭痛薬がなかった頃は、ずいぶんつらい思いをした。薬の量が増えて、コントロールに苦労した時期もあった。しかし更年期以降は、頭痛の程度も頻度も減っていて、いつかそのうち頭痛がなくなるのではなかろうかとひそかに期待していただけにショックである。
あれ? 頭痛薬が効かない?
いつものように頭痛薬を飲んだのに、その日はどうも効きが悪い。飲むタイミングが悪かったかとはじめは気にもしていなかった。もともと頭痛発作が長いほうで、数日続くこともめずらしくなかったからだ。それでもここ数年ではめずらしいことだった。
頭痛薬は続けて何日も飲むことはできない。痛くてつい飲んでも、わたしの場合、そのうち気持ち悪いし効かないしで自ずとたくさん飲めなくなるのだ。しだいに夜間、数時間で薬が切れるのか、頭痛で目が覚めるようになった。ここ数年味わったことがないほどの痛みである。
心配になって脳神経外科クリニックに三度行った。予防薬を処方され、三回目に行った時には「もうこれ以上薬は出せない」と言われる始末。
血管が詰まっていやしないか、ほかの病気じゃないか、いろいろ不安を訴えてみても、まったく相手にしてくれない。MRIは予約でいっぱいなのか、検査する気もないようだ。
仕方がないので、かかりつけの整形外科・内科の先生に泣きついて鎮痛剤を処方してもらった。ついでに頸椎のレントゲンを撮ってもらったけれど、骨にも神経にも異常は見られず、所見からもヘルニアやむち打ちの痛みではないという。可能性があるとすれば「寝違い」だとか。
先生曰く「頭痛は難しい」とひとこと。確かに、ひとことで頭痛と言っても、奥が深すぎて困る。
腕も上がるし首も回る。肩は多少凝ってるが、ヘルニアやほかの病気の場合、まず動かないらしい。わたしは五十肩になって以来、こつこつストレッチを続けてきたおかげで、以前よりずっと腕や首の可動域が大きくなっている。
だったらこの治らない頭痛は何なのか?
とくに睡眠時、決まって頭痛で目が覚める。おかげでこの頃は寝床につくのがなんだか怖くなった。もうおさまるか、もうおさまるかと期待しながら眠っては裏切られることを繰り返している。
五十代以上女性に多く発症するらしい睡眠時頭痛
調べると、目覚まし時計のように頭痛で起こされる睡眠時頭痛というのがあると知った。まさにわたしとそっくりな症状である。と言っても、ごく最近知られるようになったもののようで、詳しい原因はわかってないらしい。
ただ、女性が五十代以上で発症することが多いというではないか。
これも結局、カフェインで予防治療する対症療法しかないようだ。
睡眠時高血圧や睡眠時無呼吸症候群の前触れかもしれないと思うとちょっと怖い。
頭痛はいろいろ分類されているけれど、たいてい混在している。わたしも肩こりからくる緊張型と血管系の片頭痛が混在しているからややこしい。血行不良によるひどい緊張型頭痛がようやくおさまってきたと思ったら、ズキンズキンとこんどは血管系の片頭痛が前面に出てくるなんてことは珍しくない。
頭痛は調整能力の衰えに違いない。もうそろそろ、お願いだから勘弁してほしい……。
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