更年期以来、肌が敏感になってしまい、化粧品や洗浄剤を使わなくなった。
シャンプー断ちはたいへんだった。髪は臭うしべたつくし、どうなることかと悩んだが、なぜかシャンプーに戻らず貫いた。石けんシャンプーでさえ幾度となく挫折していたのに、どういうわけかこのときは、湯シャンの決意が固かったのだ。
湯シャンが気持ちよくできるようになるのに相当時間がかかったと思う。それでも続けられたのは、在宅ワークで人づきあいが少なかったことと、湯シャンが不快になる原因は、シャンプーにあると信じていたからだ。
いずれ湯シャンは快適になる。湯シャンがうまくいかないのは、長年シャンプーやトリートメントをし続けてきたせいだと思っていたから我慢できたのだ。
そのかいあって、あの苦労は何だったのかと思うほど、今では快適に湯シャンできるようになっている。そのおかげで肌の調子が改善したのである。
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ときどき石けん洗髪するようになって
湯シャンをするようになると、地肌の調子に敏感になる。頭皮も肌荒れすることもあれば、吹き出物ができることもある。顔と同じである。
ふだんは湯舟につかるだけのタモリ式入浴なのだが、季節や調子によって、ときどき石けんでからだを洗うこともあった。そのついでに髪も石けんで洗うようになった。
手のひらで泡立てた泡を頭皮に持って行き、顔を洗うような感じで頭皮を洗う。髪は地肌を洗い流すついでに洗う感じである。石けんは泡切れ良くヌルヌルしないのであっという間に洗える。多少きしむ感じがむしろさっぱりして気持ちいい。髪が短いので、クエン酸リンスをするほどのこともない。
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と言ってもこんな洗い方、今だからできること。シャンプーに慣れていた頃だったら、とても気が済まなかったと思う。
たまに石けん洗いをするようになったら、頭皮の吹き出物が治った。湯シャンだけだと皮脂が詰まることがあるようだ。と言っても吹き出物ができる部分はだいたい決まっている。髪全体を毎日石けんで念入りに洗う必要はないように思う。そのほうが髪の調子がいい。
日ごろ湯シャンだからわかることである。
石けんは固形に限る
石けんシャンプーはたいてい液体である。ハンドソープも液体のほうが便利だ。しかし、液体石けんは石けんを水で薄めたものに過ぎない。水で薄めると、品質保持のための添加物が必要になる。容器のプラスチックゴミも増える。液体石けんが固形石けんより高価になるのは、薄めて便利にするためのコストなのだ。
しかし石けんの良さは、無駄な成分がないことである。どうせ使うなら固形に限る。
昔ながらの製法で時間をかけて作られた石けんには保湿成分グリセリンが残っているので、特別な美容成分なんか配合されてなくても、肌の皮脂をとり過ぎず、穏やかな洗いあがりになる。
それもこれも苦労して脱シャンし、湯シャンになったから実感できることである。
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