平成30年の振り返りをいろいろ見ていると、先行きはいつでも不透明だったことを思い出した。
バブルの頃はよかったなぁとか、民主党政権のときのがマシだったとか、今より前のほうがいいように思うのは、錯覚なんですよね。
バブル好景気でも大卒女子は就職難だった
わたしが大学を卒業した頃はバブル真っ只中。
確かに有名大学の男子学生は贅沢な接待をしてもらって早々に就職先が決まってました。
男女機会均等法ができたばかりの頃、男子と同じように転勤やら出世しようという女子はまだまだ少数派で、結婚までの腰掛けで有名商社に縁故就職するというのが花道でした。
海外に行けるスチュワーデスは花形職業でしたが、それも条件のいい結婚相手を見つけるための手段みたいなもので、生涯働こうという女性は少なかったと思います。
縁故がない大卒女子の就職はなかなか厳しいものがありました。「どうせすぐやめるんでしょ」と言われ、短大卒優先なんです。だからと言って、男子と同じようにバリバリ働く能力も覚悟もない女子学生は、結婚するよりほかに行き場がないような感じでした。
就職が決まった男子は男子でたいへんでした。当時まだ終身雇用があたりまえの時代ですから、上司や会社の命令には逆らえません。転勤で家族がバラバラになることも珍しくありませんでした。
子どもが小さいときにオットに単身赴任された友人は、仕方ないとはいえ恨みつらみが消えないと言ってました。こういうのが熟年離婚につながったケースも少なくないんですよね。
今より前のほうがよかったなんて錯覚
不景気になって、雇用が安定しなくなって、給料も上がらない今と比べたら、終身雇用で給料は右肩上がりだった頃は夢のようです。
確かに今よりみなお金はあったかもしれません。「一億総中流」などと言われてましたから。
でもパワハラや過労死はあたりまえだったし、とにかく高いモノを買いまくらずにはおれない奇妙なプレッシャーみたいなのがあって、少しもゆとりなんてなかった気がするんだけれど、それでも今の貧しさと比べれば、あの頃のほうが何もかもよかったように思ってしまう。
「戦後は貧しかったけれど、あの頃はまだ人情があってよかった」なんて言う人もいるぐらいですから。
言うことがない、ほんとにいい時代なんてなかったってことですかね。
いつの世も、ないものねだりで「前のほうがマシだった」と愚痴の一つもいいたくなることだけは確か。
ここはひとつ前だけ向いて、一日一日マシに過ごせるよう努めたい。
みやぞんも「サワコの朝」で似たようなこと言ってたよ。
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