自宅で避難の夜

jitaku hinan

WikiImagesによるPixabayからの画像

きちんと閉まるかどうか心配だった雨戸をどうにか閉めて、外回りにある飛びそうなものをできるだけうちの中に入れて、ただただ台風が通り過ぎるのを待つしかない落ち着かない心細い夜がようやく過ぎてホッとしている。

今回うちは幸い停電することもなく、大きな損壊もなかったが、たまたまそうだっただけのことで、いつ被災してもおかしくないとつくづく思ったことだった。

ちょっとした近所づきあいがありがたい

オットが帰宅後、いっしょに雨戸を閉めるつもりだったのだが、日が暮れてきて、不穏な風が吹き出した頃、避難準備を促す町内アナウンスを合図に、ご近所が雨戸を閉め出した。

わたしも暗くなって、雨が降り出してから雨戸を閉めるのが嫌だったので、オットを待たずに雨戸を閉めることにした。うちの雨戸は古く、使ったことがないので汚い。カラカラになった蜂の巣が出てきたのにはびっくりしたが、砂埃なんかがはさまって汚れているので外から閉める。

途中、建付けが悪く、びくとも動かない雨戸があって、もうこれは後からオットに頼もうと思っていたら、ちょうど通りかかった隣の男性が「手伝おう」と言って残りの雨戸を全部閉めてくれた。男性は高齢らしいが、日ごろから家回りの仕事をまめにこなしている元気な方なのだ。

顔を合わせれば挨拶をする程度のおつき合いなのだが、以前はうちの庭木のスズメバチの巣をいち早く見つけて知らせてくれたこともあった。

ご近所さんはありがたいものである。

ちなみに、雨戸は暴風にかなり有効であった。これからはどんどん活用したいと思う。

目の前の小学校が避難所にならない理由

避難所がどこも満員で問題になっているが、うちの地域も以前から避難所は当てにできない。

一番に開設される避難所は地域交流センターというところなのだが、おそらくコロナの今、定員は数十人ではないかと思われる。いつもここしか開設されない。

案の定、今回どこの避難所も満員で、避難したくてもできなかった人がいたようだ。

うちの目の前には小学校がある。そこもいちおう指定の避難場所になっているのだが、これまで開設されたことがない。今回開設されなかった理由は、エアコンがないからだという。

冷房なんて、何とかしようと思えば何とでもなりそうなものだ。実際に暑い中、子どもたちは通学している。確かエアコン設置が間に合わない教室は、仮設の冷房装置を設置して授業しているとニュースで報道されていた。エアコンがないというのは理由にならない。

おそらく場所というより、避難所を運営する人員が不足していて、避難所を開設したくてもできないというのが実情ではないかと思う。役所の人だけで行っているから無理なのだ。といって、地域住民や支援団体と連携しているといった話は聞いたことがない。

というわけで今回、お金のある人はみなホテルに避難したという。なんかここでもやっぱり頼りになるのはお金しかないのかと思うと、ちょっと絶望的な気分になる。

うちは大きな台風では損壊するおそれがある古い木造家屋で、ハザードマップによると、最悪3m浸水する地域でもある。もちろん地域交流センターも浸水地域で、まともな逃げ場所は近くにないのだ。

今回はどうにか自宅の避難でやり過ごせたが、毎回どきどきである。

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