求人と求職のギャップに感じる違和感の正体

work iwakan

求人側と求職側にギャップがあるのはあたりまえで、それはもう当然あることとして向き合ったほうがいい。

残念なのは、互いに折り合おうという動きにならないことだ。

求人側は都合のいい労働力をなるだけ安く得ようと考えるし、求職側は、切り売りする労働が報酬に見合うかどうかはもちろん、人間ですから、働く環境も大事な要素になる。

アドラーがいうように、仕事の問題は、能力や条件ではなく、対人関係のように思う。

求人で表示すべきこと

求人記事を書く仕事をしたとき、信じられない条件を事細かに列挙するのが一般的になっているのに驚いた。

  • 無能な人お断り。
  • ルールを守れない人はお断り。
  • 意欲のない人はお断り。

といわんばかりの駄目だしの列挙のほか、

  • ワード・エクセルが使いこなせる。
  • グーグルアナリティクスでデータ分析ができる。
  • パワーポイントで資料作成ができる。

といった具体的に必要な能力が示されることも少なくない。

まあこれは、即戦力を求めている側としては、仕方ないとしても、

最近よく見かける「ITリテラシー」というのがわかりにくい。ITリテラシーが高い人を望むとか、低い人はお断りといった感じで使われていて、なんとも感じが悪い。意味をちゃんと理解している人がどれだけいるのか疑問。威嚇してるとしか思えない。

とにかく、「これ以上ない最高の人材以外、うちはいりません」といった感じの羅列には、正直ちょっと引きます。

変な人、めんどくさい人、厄介な人に来られても困りますから、といった事情が透けて見えます。

気持ちはわからないでもないですが、求人で一番丁寧に書かないといけないことはただ一つ。

どんな仕事をするかということ。

  • パワーポイントによる資料作成。
  • エクセルの表計算。
  • メールでの接客対応。

と具体的に表示すれば親切。

わからないことや失敗したときのフォロー体制についてふれられているとなお素敵。

応募する人ができるかどうか判断できる情報を届けることが大事ではないかと思う。

締め切りを守らないなど、無責任な仕事をされる損害を防ぎたい気持ちはわかりますが、そうしたリスクを100%避けようとするより、コミュニケーション能力の高い人がほしいなら、トラブルが発生したときに、それこそ対話で解決するぐらいの覚悟がほしい。

仕事をしているのは、機械ではなく人間、という感覚がなくなってる気がする。

仕事で大事なこと

仕事で大事なことは、何に重点を置くかというバランス感覚。

お金も大事だけど、それだけでは人間生きられない。

そんなこと言っても、お金がないと生活できないから無理をする。無理をするから病気になったり、過労死しても仕方ない。そういう状況に陥る前に、何が問題なのかを考えたい。

アドラーは、すべて対人関係の問題だという。

対人関係を最適化できる働き方を模索できればと思う。

もめごとやトラブル、失敗があったとき、対話できる関係にあるだろうか。対話に努めただろうか。

どうしても対話できない人とはつきあわないとか、距離をとることはできないか。

条件や社会的地位だけで仕事を選ぶのではなく、対人関係で苦労しがいのある環境かどうかを見極めたい。それにはやってみたないとわからないこともあるし、時間もかかる。

でも、いい仕事というのは、こうしたお金だけではない、やりがいの中にあるものではないだろうか。苦労すべきは、条件のいい仕事につこうと競争することではなく、めんどくさい対話に努めることだと思う。

アドラー心理学がよくわかる名作

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