つい見てしまうドラマの条件

『アンメット-ある脳外科医の日記-』は見る気なかった

ドラマを見るのが好きだ。でも何でもかんでも見る時間はない。直観で面白そうだと思ったものに絞って見ている。それでも途中で見なくなるものもある。

『アンメット-ある脳外科医の日記-』は、映画『市子』や過去のドラマでとてもチャーミングだった杉咲花が主演。若葉竜也も気になる。が、物語が面白くなさそう。わざわざ見たいと思わなかったが、試しに見てみたら、やっぱり見たくなった。

杉咲花がすごいのかなあ。以前もNHKドラマ『プリズム』という何ということもないストーリーのドラマに、なぜか引き込まれて見てしまった覚えがある。物語が退屈だろうが何だろうがおかまいなしになる。どういうわけか釘付けにされてしまう。何かありそうなミステリアスな雰囲気のせいだろうか。

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圧倒的な容姿やストーリーの面白さには限界がある?

圧倒的な容姿

もちろん俳優の圧倒的な容姿の美しさに心奪われることもないではない。けれど特に推しがいるわけでもない、ただのドラマ好きからすると、美しい容姿ゆえに演技力のつたなさや物語のつまらなさがかえって目立ってしまう残念なこともある。そもそも俳優というお仕事をしている人たちは、もともと容姿に優れている人が珍しくない。そんな中、多少容姿が美しいくらいでは目をひかないというのも残酷な事実かもしれない。

だからというわけでもないが、圧倒的に美しい容姿の俳優が出演しているからといって、それだけで見たくなるドラマにはならない。

流行りのストーリー

ドラマには流行りがある。偶然なのか戦略なのか知らないが、人気のジャンルや俳優を揃えて面白そうに見せかけようとした結果、何だか似たようなドラマがいくつも重なるのはよくあることだ。一度当たったドラマの路線が何シーズンも引き継がれることも珍しくない。ただドラマが当たったことと物語の良し悪しは関係ない気がしている。

筆者は若者向けといわれるものはたいていついていけないので見ない。たとえば青春・恋愛・学園・ゲーム・転生といったもの。ほかにオカルトも苦手。

『岸部露伴は動かない』『ミステリと言う勿れ』『セクシー田中さん』や『パリピ孔明』は楽しく拝見した一方、漫画の実写で大ヒットしたといわれるもののほとんどは見ていない。もともと大河ドラマ的な歴史もの、とくに戦国や国盗りのようなものは基礎知識が乏しいので見ない。こうした知識の多くはゲームで培われるらしいというからなおさら無理。

スピード感やどんでん返しといった物語の面白さはドラマにとって重要だ。しかしそれだけが見たくなるドラマの条件とは限らない。これといった事件は何も起きない単調な物語にもかかわらず、最後まで目が離せず、なおかつしみじみとした余韻が残るドラマも嫌いじゃないからだ。

視聴者はデータじゃない

ドラマを作る側は、できるだけ多くの視聴者あるいはターゲットに関心を持ってもらえるように作ろうとしているのだと思うが、視聴者は思っているほど単純じゃない。

男だから女だから、若いから年長だから、子どもだからおとなだから、富裕層だから派遣社員だから、母子家庭だから一人暮らしだからといって、それぞれ同じではない。ひとりひとり趣味嗜好も暮らしも今見たいドラマも違う。置かれている場所も状況も異なる。ざっくりデータ分析したところで、そう簡単にターゲットは見えてこないのではないだろうか。

最近見た『連続ドラマW 闇の伴走者〜編集長の条件 (全5話)』というドラマで興味深い話があった。大人向けの漫画雑誌が勝つ方法はホワイトカラーとブルーカラーの間を行く水色なのだという。毎週欠かさず買ってくれる読者に向けて連載漫画を掲載するだけでなく、気が向いたときだけ買ってくれる読者に向けて読み切り漫画も掲載するといった話が出てくる。もちろんそれぞれの漫画の質を高めることは前提条件である。

テレビドラマも漫画雑誌同様、生き残りに必死なんだけど、ドラマの質どころではないような状態なのかもしれない。儲からなければ作れないからだ。それでも作り手が具体的に思い浮かべるひとりに向けて、届けようと努めたドラマは残ると信じたい。地上波からドラマがなくならないことを願いつつ。

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