住まいについて考えたこと

年金暮らしの家賃コストはきつい

数年後に迫りくる年金暮らしで一番気がかりなのが住まいである。

うちは借家なので永遠に家賃コストがかかる。だからといって高齢者はそう簡単に引っ越しもできないと聞く。この頃はそうでもないという話もあるが、基本的に高齢者を嫌がる家主が多いからだ。それで仕方なくまとまったお金のある人は多少無理をしてでも家を買う人が少なくないという。

思い通りの家を建てるのが夢だという人は今でも少なくないだろう。老後穏やかに暮らせる小ぢんまりと片づいたおうちが紹介されているのを見ると「素敵だなあ」と思う。おそらくたいていの場合、生涯暮らすことを前提に家を購入する。

しかし長い人生、世の中も自分たちも変化する。なかなかそう都合よくはいかないのである。最近の高齢者の大半は高齢者施設で最期を迎えることが多いようだ。自宅では介護しにくいというのが理由の一つだそう。介護リフォームのできる家庭はそう多くない。

そんな先のことまで考えて家を買う人はまずいない。高齢者施設も介護保険もなかった時代はもっと悲惨だったと聞く。自分たちが要介護になる頃は、いったいどんな世の中になっているのか。考えたくもない。

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災害はなすすべがない。

借家に住んでいると、持ち家がうらやましいと思う。しかし、このところの自然災害の多さを考えると、持ち家もリスクである。

わたしの住んでいるところはあちこちに川があるので、毎年梅雨や台風シーズンは浸水被害の心配がある。これまではたまたま被害を逃れてきたが、実際近くでたびたび浸水被害が発生している。ハザードマップを見ると、逃れられるところなどない。少し高いところは土砂災害の危険地域である。安全地帯などほぼないのだ。

地震同様こうした大雨の被害はなすすべがない。たとえ川が氾濫しなかったとしても、排水能力を超えて雨が降れば、またたく間に街ごと浸水する。それこそ水に浮く家でもない限り被害は防げない。たとえどうにか命は守れたとしても、住まいは守れない。つまり生活再建は非常に困難なのだ。

基本的に日本はこのような危険なところに人がたくさん生活している。大掛かりな防災工事ができない大都市以外では、こうした災害リスクを抱えたまま幸運を祈りながら暮らしていくしかないのである。

少ないリスクで生活を再建するには

防災も大事だが、何かしらの災害で失うものがあったとしても、どうすれば少しでも楽にはやく生活を取り戻すことができるかを考えておいた方がいいのではないかと思うようになった。

心機一転大移動を考えるのか、地元で立て直すのか。ようやく築いてきた人間関係を尊重するのか、一から新しいことに取り組むチャンスととるか。考えておくことはいっぱいありそうだ。利用できるお金とか頼れる人材とか相談窓口なんかを調べておくのもいいかもしれない。

いずれにせよ「ないと困るものを極力減らす」というのがいいかもしれない。「なかったらなかったで何とかなる」と思えたら強い。

とはいえ「住まいがない」というのはきつい。

うちの町内は高齢化で空き家が増えてきている。そのうちの一軒が更地になって新築のおうちができたが、値下げしたにもかかわらず一向に売れない。うちのとなりの中古住宅も売りに出ているが売れないまま一年あまりが経った。そのほかの空き家はだんだん手入れが行き届かなくなってきていて、人ごとながら心配になってくる。自分たちが住まない家を管理するというのはたいへんみたいだ。貸すとなると、またいろいろめんどうだから、できれば処分したい。でも思うように売れないというところだろうか。

住まいに困っている人がいる一方、こんなふうに持て余しているおうちがいっぱいあるのを見ると嫌になる。

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