資本主義社会が危ない。そう言われても、自分だけはだいじょうぶ、とつい思ってしまうのは人間の悪い癖だ。
グレタ・トゥンベリさんは、地球環境の危機を訴えているだけではない。無限の経済成長を目指さないといけないシステムの中では、もはや気候変動の問題には対処できないし、人間の暮らしは破滅すると述べているのだ。
この女子高校生の真剣な訴えをまともに聞いているおとなはどれだけいるだろうか。景気対策や雇用対策、株価や為替動向以上に重要なことはないかのようである。
地球は誰のもの?
自然は誰のものか? 空気は? 水は? かつてそれは生きるものの共有財産だった。ところが資本主義のもとでは、すべてに所有者が存在し、購入しなければならなくなり、無限に働いて消費に明け暮れるシステムに取り込まれてしまう。
行くところまで行って世の中が破綻しても、結局ひどい目に合うのは弱者なんだからやってられない。
オリンピックのマラソンをどこでやるか、大騒ぎになっているけど、そもそもオリンピックが8月でないといけなくなったのは、放映権を持つアメリカの都合だというからあほらしい。
来年の8月の日本は、どこで洪水災害が起こってもおかしくないかもしれないなんてことは誰も言わない。選手ファーストと言いながら、お金の話ばかり。
不完全な資本主義社会の中で、今溺れそうになっていることを自覚したほうがよさそうだ。
社会システムはある日突然変わる可能性がある
今圧倒的に幅を利かせている資本主義社会だが、これもある日突然、しかも偶然できたシステムだという。
どんなものにも終わりがある。ということは、この資本主義社会もある日突然終わりを迎える可能性がある。考えたくないけど、大きな自然災害がきっかけにならないとも限らない。
最近注目されているグリーン・ニューディールは、行き過ぎた資本主義システムを人間や環境を破壊しない形に変えようという試みの一つで、公共事業による再生可能エネルギーへの転換が大きな柱である。
毎日の生活に追われていると、環境に配慮することはおろか、社会を変える運動になど興味が持てないかもしれない。それでも、自然災害や過労死が他人事でなくなってきている今、子どもたちの未来やわたしたちの暮らしを守るには、今ある社会をあたりまえとあきらめないで、ひとりひとりができるところでよりよいものを選んでいくしかないと思う。
とりあえず、この恐ろしい社会システムに取り込まれ過ぎず、死なない程度に働いて暮らしたい。
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