うちの洗濯機も黒いカビが出て、洗濯ものに付着していた時期がある。洗濯槽洗浄剤で掃除したこともあった。でも、ここ数年その必要がない。まったくカビが出なくなったのだ。
洗濯洗浄剤の移り変わり
まったく頓着しないで使っていた合成洗剤や柔軟剤をやめ、石けん洗濯に凝りだしたのは更年期障害で敏感肌になったのがきっかけだった。
幸い軟水地域だったらしく、石けんカスに悩まされることもなく、石けん洗濯は順調だった。ところが、石けん洗濯は想像以上にコストがかかるとわかってきた。使用する水量や石けんが少なくないのだ。石けん洗濯自体には不満はなかったけれど、コスト的に問題を感じるようになった。
しかし、加齢で年々弱くなる肌に悪そうな合成洗剤に戻る気にもなれない。そこで始めたのがアルカリ洗濯だった。これもしばらくは順調だった。アルカリ洗濯は消臭力に長けている。それだけで衛生的な感じがしたものだ。マグネシウム粒も加え、アルカリ洗濯はふだんの洗濯に申し分ないと思っていた。
アルカリ洗濯を続けたおかげで、洗濯機が汚れなくなり、きれいになった。きれいになると、日ごろから洗濯槽をまめにきれいに拭く習慣ができて、洗濯機がますますきれいになった。
しかし今は、やっぱりときどき石けん洗濯をしている。アルカリ洗濯を続けていると、とくに皮脂汚れが気になるようになったからだ。部分洗いや手洗いで石けんを使っていると、やはり石けんの洗浄力を思い知る。衣替えでしばらく保管するような下着は、やはり石けんで洗いたい。
石けん百貨がおすすめしているように、ふだんの軽い洗濯はアルカリ洗濯をして、定期的に石けん洗濯をするのが一番エコなのかもしれない。
ふだんはアルカリ洗濯をやめて、高級アルコール系の合成洗剤を使い出した。汚れ落ちも生分解性も石けんに劣らないというからだ。でも実際使ってみると、汚れ落ちは断然石けんのほうが優れている。濃縮タイプの洗剤だから少量で洗濯できることになっているが、石けんと同じくらいの洗浄力を発揮しようと思うと、そこそこたくさん使わないといけないような気がする。すすぎを1回ですませるために、使用量を少なくしているだけなのではないかと疑いたくなる。もっと進化しているかと期待していただけに、ちょっとがっかりしている。
環境負担が少ないことをウリにする洗浄剤ほど洗浄力が低いのはよくあることだ。それにしても、ごく少量でも界面活性力を失わず、毒性を発揮する事実を伝えず、エコ製品であるかのように振る舞う合成洗剤が増えていることには不安を覚える。
合成洗剤を批判し、エコ製品を強調する石けん業界もまた問題である。大量の水や大量の石けんを使って洗うことは環境に負担をかけることに他ならない。にもかかわらず、石けん=エコといった短絡的なイメージづくりに余念がないさまは、エコを強調する合成洗剤と大して変わらない。
消費者の判断に有効な情報ほど隠したがる風潮はつくづく残念である。
贅沢な石けん洗濯はもはや趣味
石けん洗濯は石けん量が多くても少なくてもうまくいかない。必要な分量を見極め、しっかり溶かし、じゅうぶんなすすぎをする必要がある。
手間もかかればコストもかかる石けん洗濯は贅沢なのだ。しかし、これ以上の洗濯はない。
石けん洗濯をした後の洗濯槽の拭き上げは念入りに行う。洗剤や柔軟剤を入れるケースは汚れるだけなので取り外してしまうと掃除が多少ラクになる。もちろん糸くずフィルターは毎回きれいにして干す。そのほうが汚れにくく手間がない。洗濯槽は拭くたびシャープの孔なし槽に限ると思う。
手間暇をかけて石けん洗濯をすると、何ともいえない充実感を得る。これはもうわたしの趣味みたいなものかもしれない。
趣味と思えば、ちょっとぐらい贅沢しても許される気がしている。
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