この十日間ほど、毎晩台所に侵入してくるネズミに苦慮していた。古い日本家屋は隙間だらけで、その気になれば、ネズミは簡単に忍び込んでくる。新しい完全密閉住宅にお住まいの人は、ネズミが家に入ってくるなんて、考えただけでぞっとするかもしれないが、田舎のちょっと古い家では珍しくないのだ。
侵入経路をひとつひとつつぶし、どうにかネズミの侵入を防いだ経緯を書こうと思う。
食パンかじられて発覚!
かけてある紙袋に入れておいた食パンがかじられていたのが始まりだった。はじめはうちではなく、店で買うとき、すでに穴が開いていたのに気づかなかったのではないかと思った。開いた穴も、欠けた部分もあまりにきれいで、棒のようなものがたまたま当たったようにも見えたからだ。まさかうちに侵入しているネズミの仕業だとは思いもせず、店を疑った。ごめんなさい。
ところがそのあとすぐ、さらに一斤被害にあい、ようやくネズミの仕業だと気づいた。そのころからあちらこちらにネズミのふんが見られるようになって、ほかのことが手につかなくなった。掃除に忙しくなったからだ。
食品はすべて片付けるようにしたおかげで、食品の被害は幸いこれだけですんだ。
以前はプラスチックの米櫃(びつ)のふたまでかじられたことがあり、ねずみの破壊力にびくびくしていたのだけれど、今回のネズミは、どういうわけかウロウロするだけで比較的おとなしく、手あたり次第ものをかじるようすがないので助かった。
ただ、なぜかごみ入れから持ち出したのか、ティッシュが散らかっている。巣作りでもしているのか。
洗濯機の排水口
ねずみの侵入経路としてまず疑ったのが洗濯機の排水口である。前に入り込んでいたネズミがここから逃げ出したことがあったからだ。それ以来、すきまを埋めて警戒していたのだが、それっきり現れなくなったので、そのまま放置していた。
ところが、洗濯機の下にティッシュが散らかっていて、ネズミの痕跡があるではないか。
排水口は見たところ隙間は見られず、一見突破されたようには見えない。でも、油断は禁物だ。
買ったまま使っていなかったパテで今回はとりあえず補強した。
いずれはきちんとした排水トラップを取り付けたいと思う。
アンテナコードの穴
次に疑わしいのが今は使われていないアンテナコードの穴である。古くなった壁がひび割れて隙間ができている。
まずは外壁の穴をパテで埋め、押入れの内壁、和室に通じる穴、さらに和室の穴をテープでふさいだ。
今回大活躍で重宝したパテはこちら。粘土みたいで使いやすい。
厄介なのが和室の長押(なげし)
和室の長押(なげし)をご存じだろうか。洋服なんかを引っ掛けたりする板の部分のこと。
じつはこの長押、上からのぞくと、壁がむき出しの空洞になっている。これ、どうやら鴨居と壁の隙間を見栄えよく隠すためのどうでもいい板らしい。ほこりがたまるだけでなく、ネズミの恰好の侵入経路になるのだから迷惑この上ない。ネズミは外壁と内壁の間を自由に移動するが、外から天井や床下に侵入できても、室内に通じる穴がなければネズミは室内には侵入できない。
しかし、長押が隠している空洞からネズミはいくらでも出入りできるようになっているのだからたまらない。ほこりだらけの空洞を見るとぞっとする。
最近はこの無用な長押を取り払い、空洞を埋めて和室をリメイクする人が増えているという。ネズミや害虫の侵入を防げるだけでなく、断熱効果もあるらしい。
うちは借家なので、長押を取っ払うなんてできないし、そんなにお金もかけられない。
そこで長押に板でふたをすることにした。とりあえず手持ちの板をテープで仮止めし、足りないところはテープでふさぎ、少しずつ地道に長押ぶたを作っいくことにした。
これでひとまず侵入は防げると思ったのだが……。つづく。
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