わたしは記録が嫌いではない。家計簿も長年つけている。しかし、恥ずかしながら、いまだに現実的で適正な予算を立てることができないでいる。つまり、実際はまだ家計をコントロールできていないのだ。
わたしからすると、納得のいく予算など、そう簡単に立てられるものではないと思うのである。
家計予算の前の壁
家計の予算を立てる前に、しなければならないのが現状把握、つまり現実の資産と収支の状況を知ることだ。それなら家計簿をつけているからだいじょうぶという考えは間違いである。
家計の現状把握は、家計簿をつけているかどうかは関係ない。
家計簿の有無にかかわらず、家庭内のすべての資産を把握している人は少ないのではないだろうか。手持ちの口座の残高をすべて把握しているだろうか。不動産や有価証券の価値はご存知だろうか。借入金残高はどれくらいあるだろうか。
収支を把握するのも思っているほど簡単ではない。今は財布の中の現金だけではないからだ。
口座引き落とし、クレジットカードの支払い、今ならスマホ決済、分割支払いなど、決済方法は多岐に渡る。便利な支払いサービスを複数利用している人ほど収支を把握していないのではないかと思う。支払いを把握するのが複雑困難になってしまうからだ。
『不安な時代の家計管理』によると、
緊急時のサバイバル家計では、できるだけ現金決済でまわしていくことを推奨
している。
いくら使ったかが把握しづらくなるため、家計を混乱させる
とある。
確かに、うちのような小さな家庭でも、現金以外の決済が複数あると、思いがけず支出が抜けてしまうことがあって、収支を正確に把握するのに苦労している。そのうち嫌になって、断念してしまったことも何度あったかわからない。
とはいえ、現代は現金決済だけで済ませられない事情もある。多様な決済をどう把握するか、知恵を絞らなければならない。
これが家計の予算を立てる前に立ちはだかる壁である。
家計予算は収支が合うまで繰り返し組み直すもの
『不安な時代の家計管理』を読んで、家計予算というのは、
収支が合うまで何度も予算組みにチャレンジ
するものであるということを知った。
なるほど。やはりそう簡単に予算は立てられないものなのだ。
貯金を増やすことばかり考えていると、非現実的で厳し過ぎる予算を立ててしまい、実際には予算内にとても収まらない、予算の意味をなさないものを作りがちである。しかし、地道に生活習慣を見直すことを繰り返すことでしか家計を立て直すことはできないのも事実。
何回嫌になろうとも、ここで投げ出してはいけない。予算組みは、何度もチャレンジするものなのだ。そのことを心に留め、少しだけ勇気をもらった。
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