石黒智子氏のエッセイには年月を経ても色あせない魅力があります。
緑に囲まれたお屋敷でのライフスタイルに対するあこがれはもちろんあるのだけれど、それとはまた別の次元にある石黒氏の見事な千里眼にわたしは何よりこころ惹かれるのです。
石黒氏の優雅さがかっこいい
もし、わたしに石黒氏と同じことができる環境があったら、おそらくあんなにモノを吟味しない。何でもかんでもひとまかせにして苦労しないで手に入れているのではないかと思うんですよね。
石黒氏は、お気に入りになるまでに、どこまでも調べつくし、どういう機能があって、どんなデザインでなければならないか、すべてはっきり見通せているところがスゴイと思うのです。それが住まいの床材や建具といった大物からタオルなどの日用品の小物ひとつひとつにいたるまで徹底してます。
石黒氏は、買い物で失敗するなど考えられないことなのかもしれません。
気に入ったものが見つかるまで、妥協しないったらない。それこそ何年でも待つという姿勢にわたしは本当の優雅さを感じるのです。気に入ったものがない! と不平不満を洩らすでもなく、いつか見つかるでしょ、みたいなこの余裕は何なんでしょう……。素敵です。
もしも石黒氏が我が家の主婦だったら
石黒氏がもし、今のような邸宅ではなく、わたしと同じような環境にあったとしても、その類い稀なセンスと研究熱心さを発揮し、やっぱり素敵な暮らしをしているに違いないと思うのです。
もしかしたらもっと製品開発分野で名を上げていたかもしれません。そう、カリスマ主婦ではおさまらず、キャリアウーマンになってたかも。うちのような環境で、あの千里眼を発揮してもらいたかったような気もします。
メンテナンスフリー堅いデッキ用の木材パオロペで作った広い物干し場もオーダーメイドのオールステンレスキッチンもまねできないけれど、IKEAのシーツに無印良品のバスタオルは使ってみようかな、などと考えながら楽しく読みました。
ちなみに、著書に登場する
- プレースマット
- ムーラン
- コンソールテーブル
は、どういうものなのかわからなくて調べました……。
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