50代主婦が一から地域デビューする方法

chiiki debut

50代主婦は、就活・起業・介護等々、何をするにせよ、自分のことを地域の人に知ってもらう地域デビューが避けられない。日ごろから社交的で知人が多い人は、今さら何? ということなんですが。

わたしが子育て世代だった頃「公園デビュー」がよく話題になっていたけれど、この年になって、また地域デビューに励むことになろうとは……。

家庭の仕事に専念し、社会に出て働かない時期を過ごした者は、世の中の変化に置いてきぼりにされ、うまく社会復帰できないでいるうちに、半ばひきこもり状態になってしまったというわたしのような人もいるかもしれない。

わたしは子どもが不登校になったとき、社会から完全に孤立したような気になって愕然としたことがある。それまで地域や社会など、とくに意識したこともなかった。町会や子供会、PTA活動などは、ただわずらわしいだけだった。でも、いざどこにも居場所がない、ということになったときの疎外感というか心細さは、ことばにならない。わたしには「助けて」と言える人が誰もいなかったのだ。

そうなってからも、ひとりで抱え込む時期がずいぶん続いた。家庭の問題を話すことに抵抗があったし、責められるのを恐れて、ますます心が閉じていったからだ。わたしのように家庭の事情を誰にも相談できず、助けを呼べないケースは珍しくないことがわかってきている。

今は、どんなに人見知りで引っ込み思案で気難しい人でも、その人なりに人づきあいに励むことが人生を豊かにし、何よりセーフティネットになると信じている。

誰もが社交的になろうとか大親友をつくろうというのではない。

いざというとき、気軽に声を掛け合える知り合いをつくっていこうという試みだ。

そのアイデアをひとつ紹介したい。

地域の有償在宅福祉サービス事業に問い合わせてみた。

各地域に有償在宅福祉事業というのがある。自治体が福祉事業のひとつとして行っているものだと思う。

わたしの地域では、社会福祉法人に委託されて行われている。

会員登録をして、ちょっとした家事や買い物、付き添いなどを助け合う制度である。

地域住民の素人の助け合いなので、利用料金も手伝いの報酬も安く、ほぼボランティアのような感じで行われる。

はたして利用者はいるのかと思い、問い合わせてみた。すると「関心をお持ちいただき、ありがとうございます」と言われ、まんざらでもない気分。

わたしは車に乗らないので、ごく近所の方のお手伝いしかできないことを伝え、需要があるかどうかをたずねたところ「もちろん、ある」とのこと。ただ、そう頻繁に定期的にあるものでもないという。とりあえず登録者を歓迎するといったところか。

お手伝いを希望する利用会員より、やっぱりお手伝いする協力会員のほうが少ないらしい。

一番多い仕事は掃除。と言っても、一般の主婦が代わりに掃除機をかけたり風呂掃除をするというサービスなので、プロの業者さんのような掃除ではないことを了承してもらっているとか。年に数回、講習会も行われている。

会って詳しく説明したいということなので、今度行ってみようと思う。

地域の福祉活動がおすすめな理由

これといった知り合いがいない中、福祉活動ほど地域デビューに最適なものはない。

何と言っても参加の敷居が低いからだ。

対人関係が得意でない人も比較的参加しやすいのではないかと思う。

その理由は3つ。

  1. 有償在宅福祉サービス事業や地域ボランティアのような福祉活動は、社会福祉法人などに委託されており、地域住民が参加しやすいようにくふうされているところが多く、マイペースで参加できる。やめるのも簡単。
  2. 地域活動のリーダーや福祉関係者と知り合いになれる。
  3. 調整してくれる人がおり、ほぼ金銭のやりとりがないので、トラブルになりにくい。

福祉関係者がみな親切で配慮のある人と期待し過ぎてはいけないけれど、困っている人に対する対応を知識や経験で学んでいる人は、一般の無知な人とはやっぱり違う。対人関係は、ある程度技術的に対応できることも少なくないから知識や技術をなめてはいけない。

でも、それと相性とはまた別。自分と合わない人と距離をとることは悪いことではない。ただ誰に対しても敬う気持ちを持つことは大事で、それは善だからというより、そのほうが結局自分が得するからと思うと負担が少ない。

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