“「空腹」こそ最強のクスリ“と”挫折しない緩やかな糖質制限ダイエット”という本を読んだ。世の中には健康関連の本が片付け本やお金の本に負けず劣らずうんざりするほどある。わたしはいずれも嫌いではない。
というのも、片付けも家計管理も健康維持も、いずれもどこか似ているところがあるからだ。
絶食はお金がかからないと思いきや
更年期の頃、体調不良に家計不安が重なって、一時絶食(ファスティング)に凝ったことがあった。健康食品は何かとお金がかかる。その点食べない絶食ならお金がかからないと思ったのだ。
食べないと言っても、もちろん期間限定である。水分はとらねばならない。そんなとき、ファスティング専用の飲み物というのがあるのを知った。それがまたばかに高価で、さもよさげに売られており、なんだやっぱりお金がかかるじゃないかとがっかりした覚えがある。また、一方で絶食は危険で効果がない、といった意見がある。確かに、絶食が最善の方法かどうかは、その人の腸内環境や健康状態、生活習慣によって違う気がする。ただ8時間睡眠をとって、最低でも8時間食べない時間を作ることは、可能ならば悪いことではないように思う。
“「空腹」こそ最強のクスリ”は、文字がびっくりするほど大きく、新しい情報はこれといってない。絶食ビギナーのとくに高齢者向きかもしれない。図書館では人気の本である。
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糖質制限なんて
ダイエットしたいと思っても、糖質制限にはなかなか手が出なかった。
なんだかめんどくさそうだし、おいしいものがいっさい食べられないイメージが強くて、とても続けられそうにないと思っていたからだ。
しかし、緑内障に始まり、脳動脈乖離が見つかって、降圧薬を服用せねばならなくなった上、ヘモグロビンエーワンシーの数値がぎりぎり基準値の高値で、要注意ということになって、糖質制限が避けられなくなってしまったのだった。
はじめは食べ物の糖質量を食品の成分表で確認することから始めたのだけど、これがおもしろくて、つい気になって計算するようになった。今はたいていの食品に成分表があって、簡単に糖質量がわかる。そうしているうちに、だいたいの糖質量がわかるようになってきて、それがもうゲームのように、少しでも糖質量を抑えたくなってしまうのだ。
ついこの間まで、大好きなごはんやパン、麺が食べられないなんて考えられなかったし、半分に減らすというのも、とてもじゃないけどできないと思っていた。ところが、糖質量を計算するようになると、自ら進んで、少しでも糖質量を減らしたくなるのだ。
食べ出すと止まらなくて困っていた甘い糖質たちが血管を傷つけ、あれほどの頭痛や動脈乖離を引き起こしていたんだと思い知り、もう痛いのは嫌だし、すっかり臆病になっていることもある。しかし妙な話、わたしは貯金通帳の数値が増えるのを楽しみにして、お金をいっさい使いたくなくなる心境を思い出さずにはいられないのだ。糖質量は借金で、少しでも増やしたくない減らしたい。そんな妄想に駆られている。
ところがロカボという糖質制限は、糖質量を減らせばいいというわけではない。
1回の食事ごとに糖質量20g~40g、間食は1日10g、1日の総量70g~130gという制限があるのだ。これがまたおもしろいゲームのようではないか。こうした制限があるのには理由がある。
糖質はどこまで減らしても大丈夫という説と、まったくとらないのは危険という説があって、今のところどちらが正しいのか、まだデータが少なくてわからないのだそうだ。しかし、上記の数値は、安全かつ健康効果が高いと証明されている数値なのだ。
試しにこの糖質制限を始めてみたとたん、なかなか減らなかった体重がちょっとずつ減り出したではないか。やはりダイエットには糖質制限が有効なようだ。ちなみに痩せている人は体重が増えるらしい。
とはいえ、この糖質制限もまた、誰にとっても有効かどうかはわからない。ただ現代人は、糖質を意識してコントロールしないと病気になりやすい食事環境にあることだけは確かなような気がしている。
ダイエットが順調に進んだら、ますます糖質制限が楽しくなりそうだ。
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