高血圧コワい

koketsuatsu kowai

長引く頭痛で念のためMRI検査をしたのは四月三十日のことだった。やっぱりというか、まさかというか、以前と反対側の椎骨動脈乖離が見つかって、急遽降圧剤を服用することになり、五月十三日に再MRI検査を受けた。

五月には鎮痛剤で抑えていた頭痛もおさまっていたのだが、動脈乖離したコブは、やや膨らみが大きくなっていてショックだった。血栓のおそれはないらしく、そのまま経過観察で、また六月三日にMRI検査しなければならない。

動脈乖離がくも膜下出血や脳梗塞になる確率

椎骨動脈乖離というのは、じつは事故やスポーツなんかでも割合頻繁に発症するもので、知らない間に治っているものも相当数あると言われている。しかし、動脈乖離と聞いただけで、すぐにくも膜下出血や脳梗塞になると恐れる人は少なくない。わたしがいつも行くかかりつけ医の医師でさえ、びっくりして「入院しなくてだいじょうぶ?」などと尋ねたほどである。わたしはその先生のようすにまた不安になったけれど、脳外科の先生はいたって冷静で、何てことないよくあることと言わんばかりなのだった。

椎骨動脈乖離は、じつは高血圧とか動脈硬化とは無関係に発症する。ケガみたいなものなのだ。ただ、いくら直接無関係とはいえ、高血圧を長年放置していたり、高齢で血管が老化していたりすると、ちょっとしたことで血管に傷がつく可能性は高くなるのである。

動脈乖離がそのまま自然治癒してくれば問題ないのだが、血管が破裂してくも膜下出血になったり、血管が詰まって脳梗塞になったときが深刻なのである。最近は、早期発見で救命されることが増えているが、後遺症や再発で、もとの健康を取り戻すのは困難なのが現状みたいだ。

では、脳動脈乖離がくも膜下出血したり脳梗塞になったりする確率はどうなのかというと、これは乖離した場所や大きさで違い、だいたい全体の2割程度ではないかという説明を読んだことがあるが、はっきりしない。そんなわけで、脳動脈乖離は、その場所や大きさ、その他血管や血液の状態によって治療が異なり、即入院、即手術とは限らないようだ。わたしのように経過観察するしかない場合も少なくないみたい。

サイレントキラーじゃなかった高血圧

高血圧は痛くもかゆくもないサイレントキラーとよくいわれる。年をとるにつれて、誰でも血圧が高くなるし、高血圧でも元気な人はいくらでもいる。わたしもそんなふうに思っていた。薬で血圧を下げるだなんて考えてもいなかった。

でも、椎骨脳動脈乖離は痛い。

ふだんの頭痛とほとんど区別がつかない程度の痛みに始まり、耐え難いピーク頭痛が一カ月ほど続くのだからたまらない。しかも脳出血や脳梗塞のおそれがある頭痛だと思うと怖いではないか。脳動脈乖離が安全に完治するのにはだいたい二カ月ぐらいかかるらしい。もうコリゴリである。

次の動脈乖離が無事完治してくれるかどうかなんて誰にもわからないんだから。

わたしの動脈乖離が高血圧によるものかどうかは、ほんとのところわからないのだけど、高血圧で血管に負担がかかっていると考えただけで、何だか血管に傷がつきそうな気がするではないか。わたしにとって高血圧は、もはやサイレントキラーではないのだ。

こんどこそ、動脈乖離のふくらみが小さくなっていることを願いつつ、せっせと降圧剤を服用している。ダイエットもしなくては……。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください