たまたま発見される病気がある一方、ようやく見つけてもらえた病気が手遅れなんてことがあったり、患者がどんなに体調不良を訴えても、医師にはなかなか伝わらないことも珍しくないことで、人間日々、元気で過ごせるというのは、ちょっとした奇跡みたいなものだと思う。
高血圧はどうするか?
朝夕血圧を測ってみたら、上は150前後の下は90前後。立派な高血圧であることが判明した。今のところ頭痛や肩こり以外の症状はない。
この前、頚椎のレントゲンをとってもらったら、長年ストレートネックと言われ続けてきた頚椎に、リラックスしているカーブが見られると先生に言われて驚いた。更年期以降、地道にストレッチを続けてきた成果である。それなのになお筋肉の緊張があったのか、神経が過敏になっているのか、今回の頭痛には、もうまったくなすすべがなかった。少しでもストレッチをしていたからこの程度ですんだとでもいうのだろうか……。
こうした肩こりや頭痛は、高血圧が原因でも発症する。これまでは近眼や姿勢の悪さ、運動不足による頭痛だったのが変わってきたのかもしれない。そう思ってあらためて高血圧症のことを調べてみると、これがなかなか厄介そうなのだ。
降圧剤と頭痛薬
今回自分の頭痛を考察してみると、三つの要素が複雑に絡んでいることがわかってきた。
それはつまり、筋肉と神経と血管である。筋肉の緊張で発症する緊張型頭痛、血管が拡張することで発症する片頭痛、さらには神経を損傷させたり興奮させることによって発症する頭痛もある。こんな発作がごちゃまぜに発症した場合、血管の拡張を抑えるトリプタン頭痛薬はほとんど役に立たないというのが今回発見したことだった。
これまで高価だが、効果てきめん頭痛薬の神!とあがめてきたトリプタンであったが、中高年の複雑化した頭痛にはどうも合わないようだ。年齢とともに片頭痛が減ると言われていたのは、頭痛が減るということではなく、たんにトリプタンが効く典型的な片頭痛が減るということのようだ。何だかだまされたみたいでがっかりである。
年齢とともに血圧が上がるようになると、病気のリスクを下げるために降圧剤を服用する人も少なくない。この降圧剤と頭痛薬というのがまたどうにも相性が悪いようである。血管を拡張させて血圧を下げるタイプの降圧剤では、実際副作用で頭痛がひどくなる場合があるという。片頭痛は血管が拡張することで発症するんだから無理もない。
高血圧による頭痛はどうすればいいのか。漢方薬でも試してみようか。
どっちのリスクをとるか
降圧剤には何種類もあって、当然だが副作用がないものはない。それでも高血圧を放置しないで正常値にコントロールし、心筋梗塞や脳梗塞、腎臓病のリスクを減らすほうが有利と考えるのが今の主流のようだ。
コロナワクチンも同じようなことが言われている。世の中には100%安全で有利なものはない。血栓ができる人はごくわずかだからワクチンを打つメリットの方が大きいという。たまたま自分がそのごくまれな不幸な人になる可能性はゼロではないが、コロナで重症になる可能性より低いというのである。
薬か毒かは量で決まる。幸か不幸かも確率問題だ。
病気を予防するにはお金もかかる。お金も時間も無限ではない。
こうしたいくつもの制約の中、とりうる最善の釣り合いをめざすのが人生なのだ。ただし失敗はつきもの……。
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