退職してびっくりしないために知っておきたい健康保険料のこと

kenkohokenryo

日本人は病院好きと言われている。気軽に病院にかかれるから。健康保険のおかげ。わたしが子どもの頃は、会社員本人の父の医療費は1割だった。最近では高齢者も3割負担にする案が出ているという。

日本はいろんなところで下り坂なのだ。

健康保険料は誰が負担しているか?

医療機関に提示する保険証、打ち出の小づちのように気軽に使い過ぎているところがある。

毎月安くない健康保険料を負担していることをつい忘れがち。保険料を支払っているのだから「使わなくちゃ損」という考えもないではないが、定額料サービスで元を取ろうと躍起になって、結局損するパターンかも。

40歳以上になると、介護保険料も上乗せされている。

社会保険に加入している職場に勤めている人は、給与から天引きされているので、健康保険料がいくらなのか知らない人も多いと思う。

それでも給与明細を見て、健康保険料や厚生年金など、天引きされる社会保険料のせいで、手取りが思いのほか少ないことに愕然とした経験はないだろうか。

社会保険加入の職場に勤めている人は、それでも恵まれている。なぜなら、高額な社会保険料の半分を勤め先が負担してくれているからだ。

このことを知らない人が案外多いらしく、退職後、高額な健康保険料に驚愕する人が後を絶たないというから、忘れがちな人は、心に留めておいた方がいいかもしれない。

職場の健康保険に加入していない人は、国民健康保険に加入することになる。

この国民健康保険の保険料は、個人の収入ではなく、世帯の収入で算出される。世帯とは「住居及び生計を共にする集まり」つまり家族のこと。収入に関わらず、均等割りされる基本料みたいのもあって、保険料はかなり高額で、年々上昇傾向にある。(地域によって保険料が異なる。)

現実は、もはや家族だけで支え合える状態ではないにもかかわらず、実情に合わない無理な制度のままなのだ。年金ともども社会保険、つくづく終わってるなぁって感じ。

健康保険料が高額で払えなくてもあきらめない

健康保険料、今なんとか支払えてる人も、いつ退職や高齢で支払えなくなるかわからない。

だからといって、健康保険証を持たないというのも厳しい。

退職時は、職場の健康保険の保険料を全額負担することで、2年間任意継続する方法もある。一般的に未成年の扶養家族がいる場合は、この任意継続のほうが有利といわれている。国民健康保険には扶養家族制度がないからだ。

一方、国民健康保険には、保険料の支払いが厳しい場合、軽減や減免が認められ、保険料を大幅に減らせることがあるので、どちらが有利かは一概に言えないところがある。

このように保険料を無理して支払おうとがんばらなくても、健康保険をあきらめなくてすむ方法がいちおうあることはぜひ知っておきたい。

とはいえ、健康保険の未来はけっして明るくない。

でも、これまで保険料を負担し続け、それなりの恩恵を受けてきたありがたい制度をこのまま失わせるわけにはいかない。なくなった制度を復活させる困難よりも、細く長く制度を維持する困難のほうがいくらかマシな気がするからだ。とりあえず制度があれば、いつか改善できる余地がある。

これまでのようにはいかないと覚悟して、無駄に薬や病院に依存し過ぎないようからだに気をつけるぐらいのことはして、どうにか健康保険制度が生き残れますように。

人間は支え合って生きるしかない社会的動物。どんなだめだめな社会保障制度でも、ないよりましなんだから、大事にしたいと思う。

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