長年の頭痛持ちで頭痛には慣れている。薬で痛みをコントロールすることもできていたので、頭痛を軽視していたかもしれない。あんまり頭痛が続くので、次の誕生日にするはずだったMRI検査を前倒しでしてもらったところ、痛みのあった左側の首の付け根あたりに椎骨動脈乖離が見つかった。
四年前の検査でもそのときは右側にやはり椎骨動脈乖離が見つかってびっくりしたのだが、またしてもこんどは反対側に見つかって、医師にも珍しいと言われた。
椎骨動脈乖離の原因は不明
動脈乖離というのは、血管に傷ができて膨らみがある状態をいう。首の椎骨動脈はもっとも乖離しやすいところらしい。交通事故やスポーツ、マッサージで無理をして乖離してしまう場合もあるようだ。
もちろん高血圧を放置している場合もリスクがある。
ほとんどの場合、無症状や軽症で知らない間に改善しているのだが、中には動脈のふくらみがこぶのように大きくなって破裂する。そうなるといわゆるクモ膜下出血で、血管を塞ぐようなことになれば脳梗塞になる。なかなかコワい症状なのだ。
四年前の乖離は自覚症状がなく、偶然見つかったときには、あるかないかの小さなふくらみで、三か月後の確認検査ではきれいに消滅していたのだが、今回のはそのときよりかなり大きいし、おそらく頭痛はこれが原因と思われるのだが、はっきりとはわからないという。またしても二週間後に再検査しなければならなくなった。
椎骨動脈乖離がなぜできるのか? 無理な運動や高血圧が原因と言われているが、じつははっきりしないらしいのだ。だから困る。案外病気の原因ってわからないことが多いのだ。
今回の頭痛はほんとにつらかった。いつもの薬はほとんど効かないし、何よりずっと痛くて何もできない。ようやく痛みがなくなるのに一カ月かかった。またこんな頭痛が起こると思うだけで嫌だし、強烈な痛みが来たときは、迷わず救急車を呼べだなんて、ぞっとするではないか。
大脳基底核に虚血性変化あり
四年前のMRI検査と違ったところには、今回大脳基底核に虚血性変化ありと診断されたことだ。
大脳基底核とは、大脳の中心あたりにある神経が集まったところで、加齢などでしみ・しわなどの変化が表れてくる。そうすると、認知機能や視覚機能に影響を及ぼすようだ。最近目が見えにくくなって緑内障と診断された影響がここに表れているのかもしれない。高血圧の放置や睡眠不足なんかも虚血性変化の原因と言われている。
確実に老化しているのだなあ、としみじみ思い知る。
血圧が高いと打ち明けると、もしかしたら今回の動脈乖離の影響かもしれないけれど、血圧は下げるに越したことはないと、有無も言わさず降圧剤を処方されてしまった。
わたしの父は、クモ膜下出血直前の大きなコブができ、突然モノが飲み込めなくなって緊急手術をした。今のわたしとちょうど同じぐらいの年齢だったかもしれない。職場復帰するのに一年ぐらいかかっていたように思う。それ以前から父は律儀に降圧剤を飲んで通院もしていた。当時はあれだけ注意していたのにこんなことになって、と言っていたが、あれだけ注意していたからこそあの程度で済んだのかもしれないと思わないではない。
年を重ねてくると、死ぬまでなるべく元気でいたいのは、ただただ痛い思いはしたくないからである。そのために降圧剤を飲んだ方がいいというなら飲もうではないか。薬は勘弁とあれほど思っていたくせに、我ながらあきれるほど節操がない。
ぼちぼち減量もして、降圧剤をやめられる日が来るといいな……。
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