週に一回ほどヤシノミ洗たく洗剤濃縮タイプという合成洗剤を使い出した。最近の合成洗剤の環境負荷は、石けんに負けず劣らず進化していると知ったからだ。
ところで、わたしが選んだヤシノミ洗たく洗剤濃縮タイプは、パーム油の純石けん分と合成洗剤の複合タイプ。これにはいろいろ問題があるようで、正直失敗だったかも、と思い始めている。
パーム油のアブラヤシ農園がもたらす社会問題が深刻過ぎる
パーム油は安価で使い勝手のいい非常に便利な油である。だから世界中の人が洗剤に限らず、食品や暮らしに欠かせないものとして消費している。
しかし、パーム油の原料であるアブラヤシの主要な産地では、貴重な熱帯雨林を伐採し、農園を作り続けてきたツケが回ってきているのだ。森林火災が絶えず、野生動物は住処を追われている。ことは環境問題にとどまらない。パーム油の生産は児童労働をはじめ、豊かな自然とともに暮らしてきた住民にさまざまな社会問題をもたらしているのだ。
そんなことも知らず、呑気にパーム油を大量に消費しているのかと思うと胸が痛い。
ちなみにヤシノミ洗剤を生産しているサラヤは、売上の1%を持続可能なアブラヤシ生産のための「緑の回廊プロジェクト」「命の吊り橋プロジェクト」「動物の救出プロジェクト」「RSPO加盟・認証制度の普及」という4つの活動に使っている。
手間でコストがかかる石けん洗濯はできなくても、わざわざ環境負荷のあるパーム油の洗剤を選ばないことはできそうだ。
入手しやすく使いやすい定番粉石けん
石けんvs合成洗剤の時代は終わったか?
以前は合成洗剤より石けんのほうが環境負荷が少ないと言われていた。しかし最近の合成洗剤の環境負荷は、石けんと変わらなくなってきているという。少ない使用量と水量で洗える上に生分解性も高い。それに比べて石けんは、溶けにくい上にたくさんの水を必要とする使いにくさから分が悪い。
石けんと合成洗剤、本当のところはどっちがいいのか?
この頃の合成洗剤はすばやく生分解されると言われている。しかし、ごくわずかな濃度でも界面活性を発揮し、高い魚毒性があるとわかっている。
一方石けんは、合成洗剤よりたくさんの量を必要とし、たくさんの水ですすがなければならないけれど、それはそれで環境に負担をかけていることに違いない。けれど石けんの界面活性は薄まれば消えてなくなる。
合成洗剤は石油由来で大量に安価に生産できるが温暖化のリスクを高めている。一方、動植物の油脂から作る石けんは、生産コストは高いが温暖化リスクや生態リスクは小さい。
あまりにいい勝負なので、結局どっちがいいのかわからない。
わかったことは、石けんであろうが合成洗剤だろうが使えば環境に負担をかけるということ。環境に負担をかけずに汚れを落とすことはできないのだ。
ちなみに、肝心の洗浄力は、なんだかんだいってもやっぱり石けんが強いようだ。とくに石けんは軟水で力を発揮するという。ヤシノミ洗剤のような合成洗剤と石けんの複合タイプは、合成洗剤より洗浄力が劣るという実験例もある。これも水質や水温などの環境によってずいぶん違ってくるようなので何とも言えない。
いずれにしても使用は最小限にして上手に使いたい。
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