東西ベストミステリー読書

tozai mystery

ようやく国内ベスト6まで読了

2013年に発行された『東西ミステリーベスト100』というガイド本に従って読書するのが最近の趣味である。読書が趣味とはいえ、勉強がてら読む本が多いので、娯楽の読書は案外思うようにできない。いざ読もうと思うと、読みたい本があり過ぎて選ぶのもたいへんである。

五十も後半になると、あと何冊まともに読書できるだろうかと思うと、選んでいる暇がもったいないと思うようになって、ガイド本の作品をつぶしていくことにした。

ガイド本が少々古いので、最近の新しい作品が読めないのが気がかりだったが、長年支持されてきた名作は、やはり読み応えがあってすばらしいので満足している。

ようやく国内ベスト六まで読み終えた。途中の『ドグラ・マグラ』に手こずって時間がかかってしまった。

三大奇書『ドグラ・マグラ

三大奇書というのがあるのを知った。

  1. 虚無への供え物
  2. ドグラ・マグラ
  3. 国死館殺人事件

をいう。まあ、ちょっと一般受けする作品ではないということらしい。

しかし『虚無への供え物』はふつうにおもしろい作品だった。古さを感じさせないおしゃれな雰囲気が何だか村上春樹を思い起させた。

『ドグラ・マグラ』はガイドによると

幾重にも現実と虚構のレベルが錯綜する物語空間を使って表現され、覚醒しながら悪夢を見せられているかの如き読書体験を味わうことができる。

とある。解説には、

これを読む者は一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書。

とある。これはちょっと大げさだが、章立てもなく延々と続く中で場面が錯綜し、さらに昔の言葉遣いや方言が混ざったりするので、非常に読みづらくて苦労した。途中で断念する人もいそうである。

でも、おそらくすべて緻密に計算されて書かれたような感じで、表現力も文章力も秀でていることはわたしにもわかった。またしばらくしたら読みたくなりそうだ。

『ドグラ・マグラ』のあとは何でも読みやすい

『ドグラ・マグラ』の後に読んだ宮部みゆきの読みやすかったこと。もちろん面白かった。

ちょっと言葉遣いの古い松本清張は、テレビドラマでさんざん見た作品だったので、答え合わせをするかのように読んだ。昭和の雰囲気を堪能させる情緒のある文章がよかった。独特の世界観を表現するといえば、やはり横溝正史の文章もすばらしい。

プロの作家の文章をうまいとほめるなんておこがましいが、やっぱりみなさんすばらしいと思った中、『占星術殺人事件』はちょっと漫画のような感じで斬新だった。

やはり個人的にはトリックの緻密さより文章力に惹かれるみたいである。

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