長年片頭痛持ちのわたしが椎骨脳動脈乖離と診断されたのは今年の四月。ひと月以上、うなじから後頭部にかけての痛みがおさまらず、いつもと違うと思いながら、ひどい片頭痛だと疑わなかった。
鎮痛薬をもらうため、脳神経外科に通っているうちに、とうとう「もう出せない」と言われ、困ったあげく、MRI検査を申し出たのだった。
椎骨動脈乖離のコブが発見されたときは、痛みの原因がはっきりしてよかったような、コワいような、複雑な気持ちになった。
じつは数年前の検査でも、未破裂の小さな椎骨動脈乖離が見つかっていたからだ。そのときは痛みもなく、偶然発見されただけだったので、医師もまったく問題にしなかったのだが、今回は二度目。しかも以前より大きいということで、有無を言わさず降圧剤を処方されることになったのだ。
当時血圧は、きちんとひんぱんに計測していたわけではなかったけれど、140/90以上あることが多く、ちょっと高いという自覚があったので、おとなしく従うことにした。
こうして入院させられることもなく、しばらくはこまめなMRI検査で経過観察するだけですんだのだった。
椎骨動脈乖離というのは、場合によっては脳梗塞やくも膜下出血を引き起こす重大な症状といわれているが、この頃は、健康診断で偶然発見されることが珍しくないという。MRIのおかげで早期発見できるようになったからだ。
片頭痛や肩こりと区別がつかない椎骨動脈乖離
これまで首コリだと思っていた症状は、もしかしたら椎骨動脈乖離だったのかもしれない。
そう思うと、肩や首をぐりぐり気軽に動かせなくなって困っている。以前から首筋が痛くなるなんてことはしょっちゅうで、てっきり寝違いか何かとばかり思ってきたが、そのたびに血管が破れているとしたら大変である。わたしの父もまた、くも膜下出血寸前の動脈乖離だったことを思えば家系的にもヤバイ。
よくある片頭痛や肩こりと区別がつかないから厄介である。うっかりストレッチをしたために椎骨動脈乖離なんて笑えない。
血圧コントロールのほかに予防する方法がない椎骨動脈乖離
椎骨動脈乖離は、ほとんどの場合原因がわかっていないらしい。ゴルフなどの運動、マッサージ、事故などで発症するといわれているが、とくに思い当ることがない場合も少なくないようだ。
また、若い世代の男性に多いとされているが、くも膜下出血は女性に多いという。
未発見の椎骨動脈乖離が相当数あるということなのか。
椎骨動脈乖離といっても、ほとんどの場合は自然治癒するものなので、あんまり神経質になってもいけないが、四十代以上で高血圧や家系などのリスクがある人は、椎骨動脈乖離のことを知っておくといいかもしれない。
わたしは、無症状でも半年ごとにMRI検査をすることになっている。「お金がかかるなあ」と思うけれど、「入院するよりいいか」と思い直している。
ところで、長年患っていた片頭痛は、血圧コントロールの成果なのか激減。ほとんど発症しなくなった。中高年になっても片頭痛が減らないとお悩みの方は、血圧が正常かどうか、調べてみるといいかもしれない。
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