人間はコワいものを見て確かめようとするものらしい。ホラー映画に登場する人物もかならず暗がりに目をこらしている。得体の知れないもの以上にコワイものはないからなんだそう。コワイと思いながら、それがどんなものなのか確かめずにはいられなくなる。それが不安を減らす一番の方法だからなんですね。
うちの家計の「見える化」は、漠然とした不安から逃れ、小さな暮らしをめざすものです。
のんきな家事ブログに生々しいお金の話題ってどうなんだろうと思ったりもしたのですが、日常生活の関心事として、無視するのも不自然な気がして。家計管理も家事の一つととらえて取り上げてます。
家計の損益計算書
「見える化」では、家計でも会社と同じような決算書の作成を提案しています。まずは家計簿をもとに損益計算書を作ります。これで1年のお金の動きを把握するんですね。
家計簿にも1年分のデータを書き込む表がついているものもありますよね。
- 収入
- 税金・社会保険料
- 支出
- 利益
を書き出します。
ここで赤字になると、嫌になっておしまいってことになりがちです。
でも、1年の収支を見て一喜一憂している場合ではないんですよね。長期で見た場合、支出が増える時期というのがあります。それはやむを得ない赤字で乗り切れるものなのか、わけのわからない支出増大で改善の見込みがないものなのかを判断し、対策を講じるためのデータとして使います。
黒字だから「よかった」と単純に喜んでばかりもいられません。予定通りなのか、たまたまなのか、余裕はどれぐらいあるのかを冷静に把握します。
決算書は現状を受けとめて考えるために作るんですね。
損益計算書の利益または損失は、次に作成するバランスシートの資産または負債にのることになります。
家計管理のテキスト
はじめて家計管理の方法を学んだ本。
自動的にお金の流れがわかるシステムづくりを提案しています。金融機関が限られている地方では、本のとおりにするのはむずかしいけれど、お金の管理方法が具体的で参考になりました。
家計のバランスシート
バランスシートというのは資産・負債を把握するものです。これも家計簿にかんたんな表がついているものもありますよね。
- 資産(金融資産・固定資産)
- 負債(短期負債・長期負債)
この差額が純資産になります。
口座の残高や保険の解約返戻金、ローンの残高などなど、気になったときどきにばらばらに調べるぐらいできちんと記録していませんでした。1年に1回決算日を決めて、その時点の状況を書き出すようにしなければ、結局何がどうなっているのかわけがわかりません。
これも幾度となく作ろうと思ってきたんですが、ついめんどうになって、いつも中途半端で終わるんです。一度雛形を作っておけば、毎年項目はそれほど変わらないと思うので、たぶんはじめがたいへんなんですよね。
決算書はセットで見る。
損益計算書とバランスシートはセットで見ないといけません。損益計算書で出した損益は、バランスシートにのります。バランスシートの純資産を増やしていくことが最終的な目標になります。
収入が増えて利益が上がっていても、支出も増えていれば資産は増えません。また、黒字で回っているように見えても、大きな負債を抱えていると借金だけが残ってしまう場合もあります。損益計算書の利益だけを見るのではなく、バランスシートの負債にも目を配らなければ家計の実態は把握できないんですね。
決算書は、ピンチを乗り切るために作るんです。現金化が難しい固定資産だけがあって金融資産が少ない、といったような問題点を見つけられるかもしれません。問題が早くわかれば、リスクを避ける対策がとれる可能性も高くなります。「どうせどうにもならない。」と投げ出しても何の解決にもなりません。それどころか、わけのわからない不安が大きくなっていくだけです。
いかにして家計を健全化し、ピンチを乗り切るかを考えるために、せっせと「見える化」に励むことにいたします。
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