仕事に対する考え方にはいろいろある。
なかには好きなことを仕事にしていて、時間や稼ぎなどの悪条件をものともしないで切磋琢磨できる人もいる。
お金を稼がないと生活できない市場社会では、稼ぐ仕事に人生の大半拘束されることに疑問を持たなくなるのだけれど、あまりに過酷になってくると、ようやく「なんかへん」とばかばかしくなる人もあらわれる。
今の社会で生きてる限りお金は必要だし、そのためには仕事も大事な要素です。
でも、うっかり人生が台無しになるような働き方をしてしまわないように気をつけたい。
がんばっても報われないことがあると知る
「一生懸命努力すればかならず報われる」ということばは、労働力を安く獲得したい経営者に都合がいい。
フランスで修行したい日本人シェフは、人手不足のフランス外食産業にとって恰好の人材なんだそう。何年もタダ働きで長時間労働もあたりまえ。
そんな中、本気で学ぶ根性のある人は、いったいどれくらいいるんだろう。
フランス帰りのシェフというだけで日本では箔が付く。タダ働きする甲斐があると思うかどうかは本人次第。それでも日本で店を出して成功する人はほんの一握り。料理の腕と店の経営は別物ですからね。
一生懸命努力することは大事だし、そのことを否定するつもりはない。
でも、どんながんばりも方向違いで空回りする可能性もあるし、行き過ぎるとからだを壊す。
何でもやみくもにがんばればいいわけじゃないってことを知ることも大事だと思うのです。
わたしもブログで儲けたいと思っていろいろやってみたけど、うまくいきませんでした。でもそれは、やってみたからわかったことです。
がんばりの度合いや方向性は、自分が決めることで誰かに言われることじゃありません。いつも自分で確かめながら進んでいったほうがいい。
働かない時間について考える
人生には、日々の暮らしには、仕事以外の時間がけっこうあります。
仕事に拘束される時間を差し引いて、あとは適当に詰め込むように過ごしがち。
でも、ほんとはお金を稼ぐ仕事以上に生きていくのに大事な時間だったりする。
たとえば睡眠時間。これは命に直結することがわかってきてます。
衣食住に関わる家事もおろそかにして気持ちいい人はいませんよね。
ほかにも趣味や人と会うなどの活動を入れると、いかにお金を稼ぐ仕事に大事な時間を奪われているか思い知ります。
お金は大事。だから仕事も大事。
それはわかります。
だけど「働かざる者食うべからず」なんて言って、働く時間以外の時間は、まるで不要な遊び時間のように言うのは誰かの策略か。
労働時間は思いどおりにコントロールできない部分が多いのも現実。
でも、どの時間をどんなふうに大事にして過ごすのか、本来は自分で決めること。
お金がない暮らしを想像する
わたしたちが生きてる市場社会は上がったり下がったりする不安定な社会なんですよね。
「お金を稼いで生活を豊かにしよう」といったワンパターンな上昇志向だけでは通用しない。
誰もが年をとり、病気になって働けなくなるリスクがある中、日本は人口減少で落ち目傾向です。
お金がかかる大きな暮らしから、なるだけお金を使わない小さな暮らしにシフトするというのが生活防衛策としては一番現実的。
今さらインターネットのない原始的な生活は無理でも、どんどんお金を使う生活をあらためるだけでもずいぶん違うはず。
いきなり自家発電にしようとか、自給自足しよう、といった無茶なことにかえってお金をかけるなんてことがないように注意して、新しいモノを買うときはくれぐれも慎重に。
持ち物は徐々に減らし、やめても苦にならない支出を見直し、生活費を減らす。
さいわい人間社会は市場社会だけではありません。お金のやりとりをしないコミュニティに属することはセーフティネットになると言われてます。
人づきあいが苦手な人は、周囲の身近な人を大切にするところから始めるといいですよね。
このように人生を充実させる働き方を考えることは、市場社会の外に目を向けることでもある。
「そんなの非現実的」と思ったあなた、市場社会にマインドコントロールされてるだけかも。
人生は自分で考えて判断してはじめて充実するものです。
世の中に何となく思い込まされてることから自由になって、自分の暮らしを見つめたい。
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