「焼け石に水貯金」とは、あまりにもわずかずつ貯めていく貯金なので、何の役にも立たない無意味に思えるような貯金のことです。
はじめは自虐的にそんなふうに呼んでいたんですが、今ではまんざらでもないと思うようになってきました。
「焼け石に水貯金」には3つの効果があるからです。
「焼け石に水貯金」は失ってもめげない修行
赤字家計から脱出することさえままならないというのに、わたしは「どうすればお金が増やせるか」、そんなことばかり考えて悩んでおりました。
お金持ちになった人の本もたくさん読みました。ふつうの人にはできない才能の持ち主もいましたが、その多くはコツコツお金を貯めることから始め、それを運用して増やしてきた案外地味で堅実な人たちなんですね。
わたしも若い時からコツコツ貯金すればよかったと何度思ったか知れません。時すでに遅し。今から何とか貯金を始めても、たいして増えそうにない。がっかりするばかりでした。
やっとこの年になって、お金がないならないなりの生活をどうにかしていくよりほかに方法がない、と気づいたんです。
オットは「阪神大震災に被災したのが悪かった」とよく言います。確かに、そのおかげで持ち家を損して手離すことになり、借家暮らしになりました。
でも、当時から家計管理がきちんとできていたら、あんなふうに家を手離すことはなかったんです。
人生はある日突然、思いもよらないことが起こる。それがわかっていなかった。
過去にはある日突然、財産を国に没収されてしまったという人もいます。このように世の中には自分の力ではどうしようもない理不尽な災難に合うことがしばしばあります。
今口座にお金がいっぱいあってどんどん増えているような人も安心はできない、という意味ではみんないっしょ。
災難はなくならないし、備えるにも限界がある。だったらいつゼロになったりマイナスになってもめげない暮らしをしようと思ったんです。
そう開き直ったら「焼け石に水貯金」も前向きにできるようになりました。貯金の残高も増加率も問題じゃないからです。
お金はいつどんなことが起こって失うかわからないもの。いつでもいつからでも淡々と辛抱強くただ積み立てるものだと思うことにしました。波打ち際の砂浜で小石を積み上げる修行みたいなものです。
「焼け石に水貯金」は災難を恐れない覚悟をつくる
若い頃は信じられないことに、給料も不動産も株価もずっと永遠に上がり続けるものだと信じて疑ってなかったんですよ。嘘みたいだけどほんと。
だから震災やバブル崩壊はパニックでした。この世の終わりのように不安になりました。いいときもあれば悪いときもあると知ったのは、それからさらにだいぶ後になってからです。
貯金はいざというときの備えにすると言うけれど、お金がどんなにたくさんあっても不安は尽きないみたいだし、結局貯金は災難の万全の備えにはならないんですよね。
「焼け石に水貯金」はいざというときの備えのつもりで貯金しません。
ただ淡々とできる貯金をしているだけで、将来役に立たないかもしれないし、意味もないかもしれないし、災難で失うかもしれないものだとわかって貯金するんです。
たとえ何が起こっても、めげずに何度でも一からやり直す覚悟でする貯金です。
だから「焼け石に水貯金」は災難にめげない覚悟ができる貯金です。
「焼け石に水貯金」を始めれば、赤字家計から脱出できる
わずかでも貯金しようと思って家計をやりくりすれば、赤字家計は脱出できます。
赤字家計が癖になると、借金も癖になります。
赤字家計は生活を見直さないことには改善しません。赤字家計で維持している現実と向き合わないといけないんです。これ、なかなかできないんですよね。
少しでも貯金したいと思うようになれば、家計の支出を減らす手立てを考えるようになるものです。そうすれば家計支出の実態を目の当たりにすることになって、自然と不要な支出もわかってくるんですよね。
「焼け石に水貯金」はできるときにする貯金です。不定期でもめげることはありません。始めたらきっと赤字家計から脱出できる、それが「焼け石に水貯金」です。
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わたしも始める予定。
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