味方も敵もつくらないのがコツか
あまりというか、ほとんど人づきあいのないわたしでも、たったひとりで生きられるわけもなく、少なからず助けてもらわなければならないこともあって、それなりにいろいろな方と接触する機会がある。
たいして深くも親しくもない間柄であっても、人というのはじつにそれぞれで、些細な差異で対立しがちだからむずかしい。一対一の話し合いがこじれたときは、第三者の助けが必要だ。実際それが有効なこともある一方、話がややこしくなることも少なくない。
人にはそれぞれ立場や考えがある。当事者A、当事者B、第三者Cの三人がいれば、それぞれ違う考えがあるのがあたりまえだ。ところがここでもし、Aは正しいがBは間違っている。だからCはAに従うようにBを説得すると言ったらどうだろうか。
世の中正しいか正しくないかを簡単に判断できることのほうが少ない。それを忘れて、どっちが正しいどっちが悪いとすぐ決めたがりがちである。たとえBが間違いだとしても、Bの言い分を聞いた上で、三者で対立しない方法を考えるのが話し合いだと思うのだが、そんなのきれいごとだと笑われるだろうか。
対立は助け合いを困難にする。対立を避けるのはきれいごとではない。助け合いを容易にするための現実的な知恵なのだ。
町内会では、ルール違反した者はわかっていても特定しないでみんなに注意喚起するという。なかなか賢いやり方だと感心した。助け合うときは、敵も味方もないようにするのがコツかもしれない。
めんどくさがらず、ひとりひとりに状況を話す
障害者雇用で就職したmimiには複数の支援者がいる。
mimiと職場の間を取り持つ関係者が複数いて、ありがたく頼もしく思っている反面、話がかみ合わないことも多く、なかなかむずかしいようだ。
せっかく中に入って調整してくれる人がいるのだから、職場の人に直接話をしないで、支援者を通して話をするようにしたほうがいいと思っていたのだが、とにかく皆忙しい。タイムラグもひどく、一向に話が進まない。
職場では、体調不良で休みがちなmimiをどう扱えばいいのか困っていたようである。mimi自身は、何もすることがなくて、しんどそうに机に突っ伏していても、いつでも声をかけて仕事を振ってくれたほうがいいと思っているのだが、職場の人的には声をかけていいものかわからない。
出勤しても、仕事の割り当てがなく、担当者が出払って手持ち無沙汰なことが頻繁にあるらしい。それがmimiは気詰まりなのだが、休みがちなmimiに仕事を割り当てにくいというのもわかる。だから毎回ちょこっと打ち合わせの時間をとってもらいたいという提案を支援者に話すと、まずは体調を整えることを優先してほしいという。体調が万全でないのに仕事の話はしにくいということのようだ。しかし、mimiの体調不良の原因は、こうした仕事の進め方に対するストレスも小さくないのである。
職場の担当者は、有休を使い果たして収入が減ってしまうことを心配し、将来的には徐々に勤務時間を増やして収入を増やせるようにしていけるといいね、などと実に好意的。しかし、mimiにどういう仕事を任せていこうといった展望はなく、ただ障害者雇用の頭数としか考えていない感じがしてむなしいのだという。
仕事しなくてもお金がもらえるんだからいいじゃないか、という人もいるだろう。でも、そうじゃない人もいるのである。何ともいえない居づらさかもしれない。
ここにきてようやく、mimiは支援者まかせにせず、職場の人や支援者のひとりひとりに自ら話をして助けてもらうようにしなければいけないと痛感しているようだ。
助けてもらうのってむずかしい。めんどくさい話し合いの積み重ねである。
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