作文教室では、ほとんどの場合、原稿用紙に縦書きで作文を書いてもらいます。
それはそれで、子どもたちの学習にはいいのですが、おとなになると、めっきり縦書きする機会がなくなりました。手書きすらしませんよね。
作文は、縦書きや手書きにこだわらなくてもいいのではないかと思っています。
メール文通で作文
高校生以上の希望者には、パソコンで横書きの作文を書いてもらうこともあります。パソコンで横書きだからといって、作文が上達しないということはありません。大事なのは書くことだからです。
入試など、手書きの縦書きに慣れておいた方がいい場合を除き、それぞれが続けやすい方法で、とにかく書く機会を持つことが重要です。書く経験を積めば積むほど上達するのが作文だからです。
もう一つ大切なことがあります。それは読者の存在です。もちろん書き手自身が読者であってもいいのですが、第三者の誰かに読んでもらうことによって、作文はさらにどんどん磨かれます。
とくにこうしたほうがいいとか、間違いを指摘して直してもらわなくても、勝手にだんだん上達していくのを目の当たりにしてきました。しかもひとりひとり異なった、ちゃんとその人らしさのある作文になるからおもしろい。
だから文通のようにメールをやりとりするだけの作文教室があってもいいのではないかと思ったのでした。
ひとりの読者として作文を受けとめ、誠意をもってお返事します。お題があったほうが書きやすいという人には、話し合って決めてもいいけれど、基本的にはご本人の興味の範囲内で自由に書いてもらいます。
メールだからといって、お手紙のように書く必要はありません。唐突に好きなように書いてもらってかまいません。
ただわたしは読者として、書いた人の意図が誤解なく思ったとおりにちゃんと伝わっているかについて、慎重かつ大切に読みたいと思います。
作文を趣味に
作文はとても気軽な表現手段です。もしかすると音楽や運動より身近でかんたんかもしれません。SNS発信も作文のひとつですよね。そんなふうに今お持ちの道具で、作文はいつからでも始められます。
思いや考えを書くだけで、心が落ち着くとも言われています。思いや考えを書かないで、俳句のように情景をことばにするのもいいですね。そんなふうに書き綴れば、作文は魅力的な趣味にもなりますし、あらゆる生活の場で使える技術にもなり得ます。
教室は、作文を定期的に書くことで技術を磨く場として利用されています。
これからは原稿用紙に手書きする作文ばかりではなく、もっと今の暮らしに合ったかたちで作文する機会を増やすきっかけづくりを模索中です。ご意見や興味のある方はお問合せください。
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